かみすき屋台でいろいろな人が参加できる建築のかたち
みんなでつくる「紙」
「森になる建築」の外装材は、紙。ハイテクなだけじゃない、愛着を持ってもらえる建築にするために、いろいろな人に参加してもらえる建築のかたちを模索しました。
「かみすきWORKSHOPとして、いろいろな場所でいろいろな人に参加してもらい、紙をつくってもらうことに。種をすき込んだ紙からは、森の植物が芽吹きます。紙づくりで関わった人々の想いで、森になる建築は完成します。万博会期中も、紙は人の手で貼り直され、補修・修繕されていきます。手をかけながら使う建築として、時間とともに育っていく建築が「森になる建築」です。

ワークショップでつくった紙。Photo:Yoshiro Masuda

みんなでつくった紙は、建築の外側に貼られます。 Photo:Yoshiro Masuda
どうすればもっと多くの人に参加してもらえるだろう?
プロジェクトメンバーでディスカッションを重ねる中で、「紙漉きができる屋台があれば、いろんな場所で出会った人に参加してもらえるのでは?」というアイデアが生まれました。
そこで、「福祉×デザイン」の視点で南三陸にあるのぞみ福祉作業所と協働で「NOZOMI PAPER Factory」を運営しているHUMORABOさんに声をかけ、のぞみ福祉作業所のメンバーのみなさんから、紙漉きのノウハウを伝授していただくことに。
屋台のあり方を検討するために、屋台作家・建築家のTAIYAさんにパイロット版のかみすき屋台を製作いただき、第1回目となる「かみすきWORKSHOP」を開催しました。実際にワークショップをやってみることで、運営の工夫や屋台の改良点など、たくさんの気づきがありました。課題も含めて、すべてが次につながる大切な一歩です。
多様な人の参加のかたちを探るべく、屋台を持って南三陸へ
多様な人がもっと参加しやすい屋台にするには、どうすればいいか。そのヒントを探るために、プロジェクトメンバーみんなで南三陸を訪れました。
こ現地では、パイロット版のかみすき屋台を持ちこみ、のぞみ福祉作業所のみなさんにも実際に屋台で紙漉きを体験していただきました。紙漉きに慣れているみなさんならではの視点で、「もっとここの幅があればこの動作がしやすい」「車椅子で参加するには足元に空間があるといい」などたくさんアドバイスをいただき、みんなで意見を交わしました。

屋台をバラバラにして南三陸に運び、組み立てました。

のぞみ福祉作業所のみなさんに紙漉きのやり方を教わりました。

万博推進室の藤川さんも、のぞみ福祉作業所のメンバー、正三さんに教わります。

車椅子に座った状態で紙漉きができるか確認してもらい、高さを計測しています。
ざぶん!くるくる、くるりんぱ。音で伝えるワークショップ
実験と改善を重ねてブラッシュアップした屋台で、2回目の「かみすきWORKSHOP」を行いました。

VSでのたてものまちめがね展でお披露目された、ブラッシュアップした「かみすき屋台」

かみすきWORKSHOPの様子。この日もたくさんの方にご参加いただきました!
今回は、小さなお子さんや海外から万博を訪れる方々にも楽しんでもらえるように、紙漉きの動作を日本語のオノマトペで表現してみることに。「ざぶん」「くるくる」「くるりんぱ」——音で伝えることで、言葉の壁を越えて、動作が自然と伝わっていきます。外国語話者の方にも体験していただき、より伝わりやすい工夫についてのアドバイスもいただきました。

紙漉きの工程を音で伝えるオノマトペを屋台につけてみる実験。

ぎゅっぎゅっ

くるりんぱ

くるくる
万博会場に屋台が出張!「かみすきWORKSHOP」を開催します
みんなで実験と改良を重ねてきたかみすき屋台が、ついに、万博会場に出没します! 6月16日・17日はのぞみ福祉作業所のメンバーと一緒に体験できる時間も!ぜひご参加ください。
・日 時:2025年6月5日(木)/16日(月)・17日(火)
・会 場:大阪・関西万博 大地の広場 森になる建築内
・募 集:事前申込制

南三陸にてNOZOMI PAPER Factory のみなさんと。プロジェクトチームみんなであなたの参加をお待ちしています!